「文芸春秋」を読み、核心は不明だが、ヤスケンの時効取得しているので、村上の主張は通らない。ヤスケンの勝。
核心というのは、元の原稿用紙が誰のものだったか、村上が書いていないからだ。
村上のものなら、原稿の所有者は村上だが、中央公論社のものなら、それは村上への貸与になる。
それなら、ヤスケンは会社に返還すべきものを返さなかったので、業務上横領になる。
しかし、いずれにしても作品は1980年頃なので、20年を経過しており、ヤスケンの時効取得が成立している。
2002年頃から古書店に売却したらしく、時効を待ってやったのかもしれない。
同義的な問題はあるが、法的には問題なし。
また、安原顕は、村上春樹が小説家以前にやっていた店の常連で知り合いであったこと。
安原が幾つか小説を書いたが、平凡で面白いものではなかったことなど、も大変興味深い内容である。
ヤスケンも晩年は、相当に批評はひどかったと思う。
平田オリザなど、つまらない演劇やジャズを至上のもののごとく持ち上げていた。今、考えればガンで、抗がん剤等も使用していたのだから、当然だったわけだが、当時本屋で立ち読みしたときは、とても驚いたものだ。
結論として言えば、安原顕というのは、かなりまともな文学青年であり、無理して辛口批評家、一匹狼の「ヤスケン」を演じていたのではないか、という誠に興味深い事実である。