久松保夫氏

俳優久松保夫と言えば、テレビの初期TBS(当時はKRテレビ、ラジオ東京テレビジョンという不思議な名前だった)の人気番組『日真名氏飛び出す』の探偵・日真名だが、彼は元は新劇役者だった。
劇団解散後、東宝劇団に入り、映画にも出ている。
有名なのは黒澤明の『虎の尾を踏む男たち』で、悪役である。

東宝争議後、フリーになり(多分共産党員だったのだろう)、各社の映画に出ているが、テレビ時代になり、『日真名氏飛び出す』でスターになる。
昭和35年頃と思うが、わが町の盆踊りに、彼や助手の高原駿男、ドラッグストア・ガールですぐに日活女優になった笹森礼子らが、特別ゲストとして来た程のスターだった。

彼は、同時に芸団協の役員を長く務め、芸能人(特にテレビ出演者)の権利保護に尽力したことでも有名である。
ただし、現在は問題になっている事項もある。
最近話題のテレビ番組の二次使用が許諾を必要とすること。
これはビデオができたとき、芸能人の職を奪うとして、芸団協から強い要求があり、制作者と協議の結果、許諾制となったものである。その分、料金を値切ったようだ。
他の権利者のように報酬請求権にすべきなことは、現在では当然だろう。

なぜ彼の名を思い出したかと言えば、親戚の知人に久松夕子という女優がいて、彼女と久松保夫は関係あるのか、と思ったからだ。
調べると久松保夫は芸名で、本名は高橋で全く無関係だった。

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