10本以上が作られているという『人生劇場』の最初の内田吐夢監督版。1936年の日活多摩川作品のサイレント版だが、全11巻の内4巻分のみ。さらに状態はかなりひどいが、マツダ映画社が努力して収集された結果なので、それに感謝するしかない。
主演は小杉勇で、瓢吉と父親の瓢太郎の両方を演じている。
吉良常は、山本礼三郎である。
私は、早稲田の連中が宴会になると、この『人生劇場』を歌うのが非常に嫌で、いつも「なぜこんなダサい歌を歌うのか」と思っていた。
辰巳屋という名家だったらしいが、日本の近代化の進行の中でで没落したのだろう、そうした没落する層の恨み節的な感情が、この小説のテーマであり、ベストセラーになった理由だと思う。
当時、キネマ旬報2位だったそうだが、それは全く分からない。全体の3分の1では仕方ない。
衛星劇場