『禁男の砂・真夏の情事』

『禁男の砂』シリーズ4作目の最終作で、初めてまともな作品に会った。監督岩間鶴夫。
さすがに田舎の海女はもう無理と諦めたのか、ここではシンクロナイズド・スイミングの話。
小山明子がチーム・リーダーで、伊豆のホテルで合宿している。
敵は福田公子がリーダーで、例によって女同士の水着アクションが売物。
小山のチームは、瞳麗子、富永ユキ、姫ゆり子など、当時の若手スター。

泉京子は、海岸に別荘を持つ富豪・北竜二の若い後妻。
実は不良大学生・松崎慎二と出来ていて、事故に見せかけて北をヨットで殺している。松崎は「大船の裕次郎」と言われたそうだが、極めて魅力に乏しい。
シンクロの公演で成功することと、泉・松崎の殺人を暴くのが主題。
「火曜サスペンス劇場」でよくあった程度の推理劇だが、一応都会的な話なので、今までのような違和感はない。

太陽族風の軽薄な学生が石浜朗、竹田公彦らで、時代的な風俗も的確。
岩間監督は、カット割りもきちんとしていて、テンポ良く見られた。

1960年で、すでに松竹大船では大島渚らのヌーベルバークもあったが、同時にこうした間抜け映画も作られていたことを示す貴重な作品である。
フィルム・センター

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