土屋嘉男が、2月に死んでいたことが報じられた。
映画『七人の侍』をはじめ、黒澤明作品への出演で有名だが、特撮映画など結構いろんな映画に出ている。
中では、松本俊夫監督で、ピーターの初出演作品の『薔薇の葬列』が面白い。
これは、ギリシャ悲劇の『オイディプス』を翻案した劇映画で、ATGで公開された。
松本俊夫は、言うまでもなく記録映画の監督だったが、初の劇映画としてこれを作った。
出演者は、ピーターの母に新劇の東恵美子、ゲストで淀川長治や蜷川幸雄が出ているなど、批評性、ユーモアもあり、多分松本の良さが一番に出ている作品だと思う。
その後、松本は『修羅』や『ドグラ・マグラ』なども作ったが、あまり成功したとは言えなかった。
要は、少し難しい作品にしすぎたのだと思う。
その意味では、『薔薇の葬列』は、通俗的だが単純でよくわかりやすく、それが成功の要因だったと思う。
土屋が亡くなり、いよいよ『七人の侍』の出演者で、健在なのは土屋の妻を演じた島崎雪子だけになるのか。
コメント
土屋氏の映画は、黒澤作品しか観ていませんが
「七人の侍」が一番、印象的でした。
火事の場面では、風向き変わり
他の俳優さんが逃げてしまう中
土屋氏だけが演技を続け、顔に火傷をしてしまい
後年まで寒くなると、傷あとが赤く浮いて
メークで隠していたそうで、お気の毒に思いました。
それに、
「用心棒」でも、「七人の侍」に続いて、
いつも、いつも、奥さんを拉致されてばかりで
同情してしまいました。 冗談です。