おもちゃ映画ミュージアム

サイレント時代から、おもちゃ映画と言うものがあり、それを収集・展示している博物館が京都にあるとは知っていたが、行ったことがないので、先週の金曜日に行く。

場所は、タクシーの運転手に言っても知らなかったが、番地を言ってカーナビで無事に着く。

壬生馬場町で、新選組の屯所も近くあったわけだ。私は京都の地理に詳しくないが、西の方であり、やはり新選組も都の中心ではなく、端の方にいたようだ。

館長の太田米男さんもいて、いろいろと話を聞かせていただく。

おもちゃ映画は、16ミリや8ミリではなく、ほとんどが35ミリで、上映が終わったフィルムを小型映写機と一緒に売ったもので、映画の一部、全部もあったとのこと。

日本の古い映画は、映画会社にもなく、その意味ではおもちゃ映画として残っていたのは、非常に貴重なのである。

当時、映画会社はフィルムを文化財として保存しておく思想はなく、保存も大変なので、一般に売ったのであり、中にはコマに切って駄菓子屋で当たりくじとして売ったこともあるそうだ。

太田さんは、元大映の録音部にいた方で、録音の専門家なので、かつての光学録音と現在のデジタル録音の違いについても教えてもらう。デジタル録音は、音質がきんきんしているのに対して光学録音の方が音が柔らかいとの差異がある。

さらに、大きな違いは、光学の方がダイナミックレンジが広いので、小さな音は小さくしておいて、太鼓など大きな音についてはボリュームを上げて録音するなどの変化がつけられたとのこと。

それが言わば録音技師の腕だったわけだが、今のデジタル録音では平板に録音することが普通で、そうした「演出」は今の技術者には考えにないだろうとのこと。

館内には幻灯機もあり、昭和30年頃、我が家にも何故か幻灯機があり、紙製のフィルムだったと言うと、セルロイド製のフィルムと同時に紙製のものもあったとのことで、記憶は間違いではなかった。

映画のポスターもあったので聞くと、京都の松竹の映画館のもので、取り壊されたときに持ってきたものとのこと。松竹系だが、中には内田吐夢の『警察官』もあったので聞くと、「新興キネマ製だったから」とのこと。

ともかく、こうした貴重な文化を保存していることはもっと評価されてよいと思う。

その証拠に、この日も外国人が2人来ていた。

帰りは、四条からタクシーで寺町に行き、ネパール料理の店で夕食を取る。

流れている音楽が、ダンドゥット風だったので「インドネシアの曲か」と聞くと「ネパールのもの」とのお答え。

どちらもインド周辺国なので、どこかで似ているのかもしれないと思う。

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