『ガザの美容室』

ガザとは、パレスチナのヨルダン川西岸と並ぶガザ地区のことで、地中海に面した縦長の狭いエリアであり、およそ東京23区の6割くらいの広さで170万人の人口である。もちろん、多数のアラブ人が居住しているというか、イスラエルによって閉じ込められている。

そこの美容室の話で、数人の女たちがいて、順に美容を受けることを待っている間の会話であり、無駄な会話である。私は、昔の鈴木裕美らがやっていた劇団自転車キンクリートの舞台を思い出した。

だが、鈴木らと異なるのは、外では絶えず銃弾が飛び交っているいるらしいことで、その音がずっと続く。

最初、これはイスラエル軍の鎮圧かと思ったが、そうではなくファタファ政権下の腐敗で勢力を伸ばしたマフィアが、ライオンを使って市民を脅しているのを警察が鎮圧しているらしい。

美容では、肌の毛を取る作業もやっていて、キャラメルで薄毛を除去するの腋毛を取るなどをやっている。このキャラメルで薄毛を取るのはアラブで良く行われているらしく、以前見たシリア映画でも行われていた。

さて、銃撃戦で停電になったり、発電機で電気を起こしたりするが、そのたびに女性間の小競り合いも起こる。妊娠して出産直前の女性、絶えずスマフォをいじっている若い女性、そして現在美容を受けているのは結婚式に行く女性であることも明らかにされる。

最後、銃撃戦が高まり、男がドアをたたいて部屋に侵入してきて死ぬが、マフィアの男であり、その外に出されてタンカの脇には殺されたライオンが横たわっている。

今、ガザ地区は穏健派のファタファが選挙で負け、ハマースが強権的に支配しているらしいが、この映画の作者たちは、これにも批判的であるように見えた。

横浜シネマリン

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