『大停電の夜に』

源孝志監督だが、今週の川崎市民ミュージアムの特集は、海外で活躍している日本人撮影監督で、今日は、永田鉄男。明日は、大島渚の『御法度』を撮った栗田富通。
永田は、瀬川浩らに師事した後、主にフランスで仕事をしているらしい。
停電した後の、ろうそくの灯での撮影がとても美しい。

『大停電の夜に』は、12月24日のクリスマスの夜、東京に人工衛星のかけらが落ち停電になった一夜の様々な人の姿を描くもの。
メインになるのは、挫折したジャズ・ベーシスト豊川悦史と別れた恋人原田知世、今は離婚の危機にある夫の田口トモロウたち。
末期ガンで田口の父親が品川徹。
若いとき品川と愛し合い田口を生んだが、別れて技術者宇津井健と幸福な結婚したのが淡島千景。
妊娠し切迫流産になりそうな主婦が寺島しのぶで、元夫のヤクザが吉川晃司。
こういう一夜物は、「グランドホテル形式」なので、多くの役者が出てくる。
一番輝いているのは、豊川の店の前で蝋燭ショップをやっている田畑智子。
この女優は、桜田淳子と共演したデビュー作の『お引越し』で非常に上手いと思ったが、ここでも圧倒的に良い。
彼女の演技で、いつもは嫌味な豊川の演技も良くなっている。
菊池成孔の音楽は良い。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする