日本がトロピカルになると予見していた人がいる

今年の日本の暑さは異常で、本当に亜熱帯、トロピカルになったのではないかとさえ思える。だが、今考えると、この暑さを予見していた方がいるのである。

横浜のパシフィコ横浜の中心には、プラザという名の大きな広場がある。

ここは初めの設計では、二階部分に各施設をつなぐ大きな屋根があり、中央には大きな穴が開いているもので、要は新宿西口の広場のようなものだった。

だが、その模型を見た高木文雄社長が、「これはあまり気分が良くないね・・・」と言い、設計をし直すことになった。

設計担当の㈱日建設計も、突然に言われたことで社内ではできず、ハワイにいた女性デザイナーに設計を委託した。急遽だったので、彼女は現地も見ずに自分の想像で設計をした。

その結果、彼女は、横浜は、香港、シンガポール、バンコクのようなトロピカルの都市だと勘違いしてプラザをデザインして来て、それが採用されて現在の形になったのである。

だから、石積の広場で、夏はギリシャの都市のように白く光ってカッコ良いが、冬は寒々しくて困る。雪が降ったりすると非常に寒々しい広場に見え、これはミスマッチだなと思う。

だが、今の暑さを考えれば、約20年前に現在の日本の気候を予見していた女性は先見の明があったというべきだろうか。

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