杉良太郎公演

「演歌・歌謡曲を応援する議員連盟」ができ、そこにもご出席された杉良太郎さんだが、1983年に彼の明治座公演を見たことがある。

雑誌『ミュージック・マガジン』に劇評を書いたが、歌手芝居の常の芝居と歌謡ショーで、劇は『花と竜』だった。

意外にも芝居は上手いのには感心したが、反面に歌はたいして上手くないのにも大変に驚いた。

よく考えれば、彼はもともと日活の若手役者で、と言っても主演作はほとんどなく、園まりなどの歌謡映画の相手役だった。

               

今から考えれば想像できないが、当時彼は好青年だが個性に乏しく、特にこれと言って打ち出すものがなかったので、自然と脇に廻らざるを得なかったのだ。

当時のランクで言えば、渡哲也はもちろんだが、藤竜也、沖雅也よりも下だったのだ。

さて、やはり芝居は見ておくもので、この年の前には美空ひばり公演も新宿コマ劇場で見ていて、ある場所で佐藤利明さんにお話しすると、大変にうらやましがられたものだ。

そうなると「夢舞台」なる小林旭以下の「昔の名前で出ています」公演も見ておくべきだったなと思っている。

何しろ、そこには松方弘樹が出ていたのだから。

今度、再起したらぜひ見に行くことにしようと思った。

それにしても「演歌を応援する」とは、分かっていないな。

演歌の本質がどうであるかは別として、大衆文化なので、時代と共にできるものなので、時代の変化によって衰退するのも当然だからだ。

例えば、イベントや研究としてはあるとしても、今更浅草オペラを復活せよと言っても誰も相手にしないのと同じである。

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