『王女メディア』

まだ決まったわけではないので、憶測で書くのは問題なのだが、秋田の幼児殺人事件の畠山容疑者は、自分の子の死についても重大な関係があるように見える。
これは、ギリシャ悲劇『王女メディア』である。

メディアは、稀代の悪女で、自分の子2人を殺してしまう。
日本の女優では到底無理なので、昔の蜷川幸雄演出では、平幹二郎が女形で演じた。

2年前に、シアターコクーンで大竹しのぶが演じたが、これは見るものすべてが驚嘆するすごい演技だった。

だが、同時にメディアも、実は普通の家の女なのだ、ということを蜷川は強く示唆する演出をしていた。

そう考えると、ギリシャ時代以来、人類は大して進歩していないことになる。
悲しむべきことなのか。そうしたものなのか。

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