今夕、フィルム・センターで豊田四郎監督の爆笑喜劇『如何なる星の下に』を上映したはずだ。
勿論、行くつもりだったが、急に仕事が入ったので、行けなかった。残念だが、仕方がない。
言うまでもなく、高見順の原作で、昭和初期の浅草の芸人たちの姿を描いたもの。
映画は昭和35年頃の、佃島に置き換えている。もんじゃの佃島である。
テレビ勃興期で、調子のいい歌手の植木等、植木に捨てられる池内淳子、植木と出来て海外で一旗あげようとする池内の妹の大空真弓など、時代がよく描かれている。
主人公は、PR会社の池部良で、これが3姉妹の長女で居酒屋をやっている山本富士子と恋仲になる。だが、どうしてもこの非知性的な家族の一員にはなれなず、山本と別れる。
その他、山本の昔の亭主で、詐欺師の森繁が金を借りに上京してくるなど、実に面白い。
佃大橋が出来る直前の佃の渡しが出てくるなど、東京下町の歴史的映像としても大変貴重なものである。
一番笑ったのが、3姉妹の両親は元芸人(手品師)の加東大介と三益愛子だが、加東が中気になり、いいところで動けなくなる。
最後、酒癖の悪い三益がキレテ総てを破壊するところは凄い迫力だった