「原発では随分稼がせてもらいました」

私の高校の後輩にMという男がいる。
村上春樹の小説『ノルウェーの森』について、「直子のような女が実際にいる」との経験を話してくれた男である。

彼は、都立小山台高校を卒業した後、結局大学には行かず、テレビの小プロダクションから記録映画の監督になり、かなり多くのPR映画を作ったそうだ。
彼に20年くらい前に会ったことがあるが、そのとき彼はこう言っていた。
「今の日本で一番立派な映像ホールがあるのは、原発のPR館で、浜岡原発は私がやった」と。
確か電通からの仕事で、実際は東宝映像で撮ったそうだ。
その趣旨は、原発の意義、効果、安全性等を見学者に見せるものだろうが、こういうところにも映像作家たちは関っていたのである。
原発映画は、人権啓発映画と共に、日本映画界にとって貴重な需要だったのである。

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