毎日、寒いので外に出るのが嫌になり、録画してあった映画を見る。
広末涼子、中谷美紀、木村多江の3人の女優の共演と宣伝された作品だが、昭和30年代の時代を出すのに精一杯で、話はどうでもよくなったような映画だった。美術さんご苦労さんと言うしかない。
私が、この松本清張原作のドラマを最初に見たのは、テレビでのもので、調べると主人公は、河内桃子、相手役は小山田宗則で、とても怖かった記憶がある。
映画の野村芳太郎監督作品を見たのは多分、1980年代で、主人公は久我美子だが、有馬稲子のかなりシラけた演技に驚いた。
これは、久我美子、有馬稲子、さらに高千穂ひづると皆美人女優で、相手役の男も、南原宏治と大変適役だったと思う。
今回の作品では、舞台の金沢市で、女性が市長選挙に出ていて当選し、戦後にパンパンとしての過去を持つ中谷美紀と対比していたが、あまりピント来なかった。
一つ気になったのは、広末と一緒に西島秀俊の失踪を探す義兄の杉本哲太が、「事件記者になったような気分です」というところ。
当時テレビで『事件記者』は放映されていたが、清張の原作にもあったのだったろうか。
事件記者という言葉は、テレビの原作者島田一男が作った言葉であり、本当は社会部記者なのだから。松本清張が使ったとは思えないが。
日本映画専門チャンネル
コメント
ゼロの焦点
監督 犬童一心
出演 広末涼子
中谷美紀
木村多江
松本清張の傑作。
幾度となく映画化やドラマ化された作品。
ストーリーも分かっているんだけど、それでもやっぱり面白い。
夫が失踪し、それを探し金沢へ向かう新妻。
そこに絡む連続殺人。
そし…
アスコン道
当然ながら原作にそのやうな言葉ありません
「事件」は随所にでてくるが・・・
『零の焦点(当初ゼロではなく零)』が連載され始めたのは昭和32年からとなつていてNHKドラマは33年からで時間差がある
まただいいちあの清張さんが他人の作品の言葉を引用するか?どうか
このリメイク版は封切で見たがご指摘のとおりオリジナル版と比べるべくもない
広末の口元でころがすやうな台詞を聞いただけで興味半減であつた
この戦前~昭和20~30年代を描く映画はもういまの日本映画界では不可能と思ふ
ついこの間まで日本にあつたことだがこの時代を知る映画人がもういないのではないか また知らないのであらう
衣装や美術小道具はいくらでも真似できる しかし光景は再現できないであらう特に道は
20~30年代の日本の道路舗装率は主要国道でさえ10数パーセントでそれもコンクリート舗装が大半でアスコンはほとんどなかつた
もちろん鋼製ガードレールもない
砂利道(石ころごろごろ ぬからない)ならまだいい方で町なかでも泥土道で一雨くればたちまち泥濘で晴れれば土煙もうもうが普通であつた
そこいらの道ならなおのこと
これは五所成瀬木下以下の作品をみれば一目瞭然よく分かる
アスコン舗装が一般化したのは名神以降40年代からで
当時はまだこの間まで中国でやつていた「エンヤコラ」だつた
何故できなかつたかと云えば日本には舗設機械(フィニッシャー 転圧ローラー)と生アスプラントがなかつたからで
アメリカ製の機械を輸入し梯団舗装が可能となつたのが名神以後であつた
石ころもない平に固められた道 長く続くアスコン舗装にガードレールの道
近年の(昭和30年代再現)映画にこれが頻繁にでてくるととたんに幻滅である
ほんとうに再現するならアスコンを引き剥がしガードレール撤去するしかない
これをやりそう(できる)なのは健在であればあの大巨匠さんくらいではないか
ありがとうございます
コメントありがとうございます。
篠田正浩の映画『少年時代』の時、田舎道を再現するのに、美術の木村威夫さんは、コンクリートの上に砂と泥を敷いていました。そこまでやる気もないのでしょうね。
因みに日本に土木工事の大型機材が導入されたのは、電源開発の佐久間ダムの建設が最初で、それはアメリカの中古品でしたが、あっという間に工事を期日どおりに完成させて皆驚いたそうです。それは、記録映画『佐久間ダム』で描かれていますので、ご参考までに。
大型土木
そのとおりです
大型土木工事の先駈けは佐久間建設ダムでした
その記録映画を小学生のとき講堂で見たのをいま思い出しました
ご指摘ありがたうございました