『急げ!若者』

『わが命の唄・艶歌』が途中で上映が中断して終了が少し延びて、エレベーターで1階のロビーに降りると待つ人で超満員。

「ああそうか、フォーリーブスのファンの女性なのだ、この回の券も早く買っておいて良かった」と思う。

アイドルの人気というものはすごいものだと改めて思う。

作品は、少年院を出た4人の若者が、デザイナー(江木俊夫)、歌手(北公次)、カーレーサー(おりもまさお)、コック(青山孝)になることに憧れて職場で働く。

その間で、いろいろなことがあるが、最後は少年院の先生・日色ともゑが作った曲を歌ってスターになるという、ごく軽いものである。

興味深かったのは二つあり、一つは青山孝を刺殺してしまうヤクザが、榎木兵衛と庄司三郎であることで、言うまでもなく日活の脇役である。

1974年なので、すでにロマンポルノ時代であるが、タイトルを見ると日活とあり、この頃もまだ専属だったわけだ。

もう一つは、4人がダンスをレッスンする場所が、赤坂の国際芸術センターであることで、これは1980年代まで赤坂のTBSの裏にあった。

多分、今は赤坂ACTシアターになっている場所だと思うが、稽古場の集合体のようなところで、実験的な芝居を見たことがある。

映画に出てくるのは極めて珍しく、貴重な映像だと思う。

監督の小谷承靖は、『若大将シリーズ』が多かったが、仁科明子が主演した『はつ恋』はかなりの秀作で、びっくりしたものだ。

ほかに、彼の監督作品には『ゴキブリ刑事』もあり、これは見ていないので、いずれ見ることにしたい。

阿佐ヶ谷ラピュタ

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