コニカラー短編集

横浜から地下鉄で宝町につき、フィルムセンターの上映を待つまで時間を潰していると、街宣車が騒音を撒き散らしている。

「今日は憲法記念日なので、彼らにとっては、自主憲法を制定すべき記念日なのか」

フィルムセンターは、コニカラーの短編集。この日上映されたのは、1950年以降の公開作品だが、私の推測では、多分戦前からカラー映画の研究は行われていたと思う。

カメラマン岡崎宏三の本によれば、彼は戦時中は理研映画にいたのだが、松竹大船撮影所にいて、二色分解のカラー映画の研究と試作をしていたそうだ。

何に使うかと言えば、空中から要塞等を撮影し、迷彩が上手く米軍機から見えないようになっているかをテストすることをしていたというのだ。

軍隊と言うのは、面白いことをするものである。

7本のカラー短編映画が上映されたが、太田仁吉の記録映画『阿寒湖のまりも』は別として、そのほとんどが子供が主役の童話的な作品であることだ。

これは、こうした試作的映画が、他の漫画映画等と一緒に本編と併映して上映されたことによるものだろう。

日本映画界が、1950年代後半に各社2本立てになるまでは、基本的に1本で、そこに漫画などの短編をつけることがよく行われていた。

だから、そうした需要にこたえて、子供が主人公のカラー試作作品が作られたのだろうと思う。

また、大人の俳優では、そうした実験に出てくれ、とは言いにくかったのかもしれない。

中では、童謡の『かわいい魚屋さん』が、その曲のままに少女によって踊られるのが、非常に可愛かった。

そして、こうした少女によるメルヘン的映画の延長線上に、浅丘ルリ子主演になる『緑はるかに』が作られるのだろうが、それは明日上映。

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