1941年11月、太平洋戦争直前に松竹で作られた清水宏監督作品、石川県の山奥の村に、田中絹代以下の女子医大の連中が医療活動にやって来る。
村で唯一のインテリの小学校の先生は佐分利信で、彼は田中らの活動に好意的だが、無智で因習的な村人は診療行為すら嫌う。
村で一番の医療行為は、祈祷師のお祈りで、彼は病人を祈っては、家族から酒を奢ってもらう生活をしている。
清水宏作品らしく、こうした筋が淡々と続き、当然子供が活躍する。
最後、医療隊は東京に引き上げていくが、田中絹代のみは「村に残る」と言う。
次は、佐分利と生活している田中絹代の姿。
なんだ、「ミイラ取りがミイラになった」というわけか。
言うまでもなく、清水宏と田中絹代は、ほんの少しの時期だが結婚したことがある。
清水は、非常に我がままで威張る人間だったそうで、田中絹代も、役柄とは異なり、極めて気の強い女性だったそうで、上手くいかなかったのは当然だろう。
映画では、非常に上手いコンビを見せているのはさすがというべきだろう。
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