ラピュタの轟夕起子のモーニングショーを見るために阿佐ヶ谷に急いで行き、5分前に着くが満員とのことでダメ。
『暢気眼鏡』と『第五列の恐怖』で、私は『第五列の恐怖』の方を特に見たかったのだ。
理由は、轟が連合軍側のスパイを演じるからで、轟は衣笠貞之助の『間諜海の薔薇』でも間諜、スパイを演じているが、轟は西欧的な顔つきの女優だったのだろうか。黒澤明の『姿三四郎』でも、乙美は西欧的だと批判されたのである。原作は小夜だが、西欧的だとのことで乙美にしたそうだが、乙美の方が西欧的に思えるが。
適当に時間を潰して、午後1時から三国連太郎特集の『宮本武蔵』を見る。
『宮本武蔵』は、なんども作られているが、最初のカラー作品である。脚本、監督は稲垣浩で、宮本武蔵は言うまでもなく三船敏郎、お通は八千草薫、お甲は水戸光子、朱美は岡田茉莉子、沢庵は尾上九朗衛門、おばば三好栄子、吉岡清十郎は平田昭彦となかなかの配役である。
特に水戸光子がいい。
話は知られているように、美作宮本村から、一旗揚げようと関ケ原戦いに、武蔵と又八は参加するが、負け戦に終わる。
戦場から逃げる途中で、お甲と朱美の母娘に会い、三国の又八はお甲と一緒になって京に行ってしまう。
関所を破ったことから、武蔵はお尋ね者になり、宮本村に戻ってくると藩主側の指図で、山狩りが行われる。たった一人のために大げさなとは思うが、映画だから仕方ない。
沢庵に再会し、武蔵は、侍として文武の修行をさせられる。
又八と許婚だったお通は、悲嘆にくれるが次第に武蔵を慕うようになる。
池田家への仕官の申し出を断って武蔵は、諸国への武者修行の旅に出ることを決意する。
京の茶屋で働いていたお通は、武蔵に付いて行くことを決意するが、旅支度を整えて、橋に戻ると武蔵はいない。
欄干に「ゆるしてたもれ」と刀で彫ってある。
お通のような美しい女を捨てて旅に出るバカがどこにいるのだろうか。
1954年の作品で、いまだご健在なのは八千草薫と岡田茉莉子だけだろう。
武蔵は、結局戦争に遅れてきた若者の一人であることがよく分かった。
コメント
ありがとう、直しました。