NHKBSで『風と共に去りぬ』を放映していたので見たが、やはりすごい。
テクニカラーの色彩がすごいし、また波乱万丈のスカーレットの話が面白い。
言うまでもなく「エスカレーター」人生の典型だろう。
スカーレットは、現在で見ても相当な色狂いで、当時では完全にいかれた女だろう。
そして、他の男と結婚したのに、ずっとアシュレーを愛していると言うのは、精神病理学的に言えば、完全な「恋愛妄想」である。
スカーレット役のビビアン・リーは、後に精神疾患にもなった女性なので、まさに適役。
このスカーレツト役のオーディションは大変で、多数のハリウッド女優がカメラ・テストを受けた。『シェーン』の貞淑な妻のジーン・アーサーの他、ルシル・ボール、ラナ・ターナーなどのカメラ・テストのフィルムも残っている。
メイキングを始め、すべてのフィルムが残っているアメリカに対して、ほぼ同時期の松竹の『愛染かつら』は、全4部作が製作されたが、今残っているのは、極めて不完全な総集編のみである。
日本映画の著作権管理など、その程度のもので、それが「映画館での盗撮は犯罪です」などとよく言えたものだ。
まずは、自分たちのネガをきちんと管理することが最初である。