今度は、劇場法だって?

今朝の朝日新聞に劇作家平田オリザが出ていた。
内閣の参与になり、民主党の文化政策について、意見交換しているそうだ。鳩山首相の所信表明演説のアドバイスは本当だったのだ。
やはり、そうか。
だが、いずれ出すと言う「劇場法」構想に新しいものは、何もない。
要は、「国の補助金を増やせ」であり、「欧州では補助金が・・・」なのだ。

確かに、欧州では国や地方が文化、芸術に多くの補助金を出している。アメリカでは、全くないが。
これは、欧州では、中世以来、王侯・貴族のパトロネージュによって文化、芸術が育てられてきた歴史がある。
また、欧州では言語をはじめ文化的差異が少ない上、距離的にも極めて近いので、どこの国や地域の音楽、演劇、映画を選択することが出来る。
フランス人にとっては、ベルリン・フィルも容易に聞くことが出来、イタリアオペラも簡単に見ることも出来る。どこの文化を享受するかは、市民の自由なのだ。
つまり、、各国間で文化、芸術に関しては、常に国際的に激しい競争があるので、各国、各地域は、それぞれの文化を保護しているのだ。
だが、日本にそんな国際的な競争はあるだろうか。
文化、芸術で熾烈な国際的競争があるのは、複製品が簡単に入って来てしまう映画と音楽しかないだろう。
反対に、国際的競争が全くないのが演劇である。
平田オリザのようなつまらない劇が見られているのは、優れた海外の演劇が流入してこないからなのだ。

さて、劇場法で、第一にすべきは、劇場のバリア・フリー化である。
歌舞伎座と俳優座劇場、さらに新宿の紀伊国屋ホールは、今すぐにでも階段を改修しエスカレーター、エレベーターを設置すべきだ。
高齢化の今日、行政が第一にすべきは、こうしたハードの整備である。
そして、劇場の芸術監督とやらの一定数を外国人に開放するくらいのことをしないと、日本の劇場は進化しないと思う。
それだけの度胸は平田君にあるのだろうか。

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コメント

  1. 闘いうどん より:

    Unknown
    『芸術立国論』なる本を読んだとき、どうやって助成金をふんだくるかということしか書かれてないのに呆れたことがあります。平田や横内謙介や宮城聡の世代をエセ善人派と呼びたい気がしています。

  2. Unknown より:

    闘いうどん さんのコメントを読んで
    何かを作るには資金が必要です。
    もちろん低予算であることで、知恵と工夫が生まれることもあります。

    しかし、何かを作る人の中には、スケールの大きい作品を作りたいと願う人もいるのです。その為に助成金を「ふんだく」ろうとするのは、野心です。つまり、平田オリザは野心家であり、だからこそ、内閣官房参与になったのだと思います。

    私は平田を善人だとは思っていないのですが、そもそも、何かを作る人が善人である必要があるのかどうか、私には分かりません。もちろん、何かを作る為なら何をしてもいい、とは思いませんが、善人であろうとすることで、その人の作るものが狭められるなら、悪人であることを選択しても良いのではないか?と思います。

  3. さすらい日乗 より:

    野心家というよりも
    コメントありがとうございます。

    平田オリザは、野心家であり、事業家です。言わばベンチャー・ビジネスの成功者と言うべきでしょうか。
    何しろ、年収1億という噂もあるのですから。
    首都圏の我々は知りませんが、彼の劇団青年団は、全国各地で公演しているそうですから。
    あの童顔で、善人面に騙されているのです。
    詐欺師は、詐欺師らしく見えない、という典型でしょう。

  4. Unknown より:

    さすらい日乗 さんのコメントを読んで
    なるほど!「劇場法」や「芸術立国論」の話だと思っていたのですが、平田の面の話だったんですね。

    仮に平田が詐欺師だとして、詐欺師らしく見えない顔をしている、というのはまったく同感です。

  5. 闘いうどん より:

    正義が私の原点だ
    『芸術立国論』という題名の本の中身が助成金のふんだくりかたしか書かれていなかったから呆れたのです。金策などは野心のあるなしにかかわらず、誰でもやっていることです。
     善人というのは、かつて横内謙介が自分たちの劇団名について「おれたちは善人なんだ」と発言していたことにもとづきます。

  6. 名無し より:

    ありがとう!
    私は舞台照明のデザインを職業にしています。

    記事の内容ですが「よく言ってくれた!」と、胸がすく思いです。
    現場のことを一切考えない薄っぺらさに辟易していたところでした。

    今の事業仕分けじゃないですが、こんな奴等に金を出す必要なんて一切無いと思います。

    私の気持ちを大便してくれて本当にありがとうございました。