大都映画作品、白井喬二原作、監督白井戦太郎、主演阿部九州男、近衛十四郎。よく考えたら大都映画作品を見るのは初めてだった。会社タイトルは大都映画という字の裏に何か水槽の物が浮いていくもの。カメラが悪い性か、それも揺れている。
大都映画は巣鴨にあり、河合という人（右翼的な人物だったらしい）の個人事業の三流会社だったが、下町では結構人気があり、かの吉本隆明大先生も良く見たのが、大都映画だったそうだ。
昭和１６年に映画統制で新興キネマ、日活の製作部（興行、配給は日活として残り、戦後はそこを基に昭和２９年に製作再開する）と一緒に統合され大映になる。大都からは、田中重雄、佐伯幸三らの監督、近衛十四郎、羅門光三郎らの役者が出た。
明朗時代劇のようだが、録音がひどく台詞がよく分からない。画面も時々揺れる。
見ていて大変つらいので、途中で止す。
トーキーは機材が良くないと、見ていられない。サイレント時代に多数あった弱小映画会社がトーキーになりほとんどつぶれたのは当然である。